カゼヒキサン。
なんとか。

「お、終わった…!」

「おめちょーん。」

らんちゃんが隣でニコッと笑う。

ワーク5ページ。

多いよ高坂ー!

「あ~、あたしトイレ行ってくる。」

「いってらっぴー。」

らんちゃんに見送られトイレに行く。


トイレは空き教室の前にある。

「ふぅ…。」

手をハンカチで拭きながら出ると、

廊下に海斗がつったっていた。

「あ。」

「あ。」

…沈黙が流れた。

「…なぜにいる。」

「暇だしさ。」

「ふーん。」

そう言って、立ち去ろうとした。

「瑞希。」

海斗の声にも振り向かないで教室に行く。

もう関わりたくないんだよ。

もう何も変わりたくないよ。

触れない、関わらない。

今が一番楽しいよ。

「瑞希っ」

腕を掴まれる。

「離せっ。」

腕を振り払う。

また掴まれる。

「何がしたいの!?」

「話がしたい。」

まっすぐな目で見られる。

やめてほしい。


心が震える。

心が揺れる。

気分が悪い。


ここから逃げたい。
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