カゼヒキサン。
全てが終わったその時。

「瑞希、終わった?」

コンコンと扉がノックされる。

「う、うん終わった!今出る!」

そういって部屋を出る。


前に、全身鏡でチェック。

「大丈夫かなぁ?コレ…。」

たぶんあたしを知る100人中100人が顔をのぞきこまない限りあたしって気付かない。

その分、あたしだと知った時の違和感が大きいだろう。

つまり、『若野瑞希』には似合わなさすぎる。

海斗に変に思われたら、どうしよ…。


「瑞希?」

は、と我にかえる。

えーい!今さら悩んだってしょうがないんだ。


行く!


「ご、ごめん。待っ………え…!」




部屋を出た時、衝撃が体に走った。
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