カゼヒキサン。
ころりん

瑞希が寝がえりを打つ。

壁の方を向いちゃって、顔が見れない。


…俺を見てよー。

…壁じゃなくて、俺を見てよー。

…俺の事、男として見てよー。

…無防備ばかー。

…好きだよー。


小さい背中に、心の声をぶつけまくる。


…俺の事を見てよ。

…ずっとずっと好きだったんだよ。

…瑞希の事がずっとずっと好きだったんだよ。

…大好きなんだよ。



なんだかイライラして

なんだかモヤモヤして

なんだかムシャクシャする。



悔しい

苦しい




…触れたい






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