カゼヒキサン。

越えてはいけなかった線を越えた朝

「ん…。」

目が覚める。

なんだか頭がふわふわしてる。

起き上がろうとして、何かにぶつかる。

「?」

ぼーっ、とみてると、


横に海斗が寝ていた。



「…!!」

あたしの狭いベッドに、海斗とあたしが密着して寝てる。

ち、ち、ち、近い………。


唇が熱くなる。

顔が熱くなる。


昨日の夜を思い出す。



〝好きだよ、瑞希〟

海斗はそう言って、あたしにキスをした。

そのキスが嬉しくて、あたしも海斗を抱きしめた。



あれは一時の夢?

…うん、きっと、夢。


ありえな、い。よね?


「と、と、と、とりあえず。ベッドから降りたい。」

この至近距離から逃げたい。



恥ずかしさと

戸惑いと

なんだか離れたくない気持ちが混じるけど


勢いに身を任せ


とりあえずベッドから降り…




ずるっ

「キャッ!」

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