スイッチ!
「『ジ』は『シ』でもいいわよね?」




「いいよ」




「じゃあ……『シマウマ』」




「マ……『マーライオン』」




「それは、シンガポールにある像の名称でしょ。口から海水を吐いてるやつ……」




「そうなの? 城田さん、よく知ってるね」




「ふざけてる?」




「ゴメンゴメン……じゃあ……『マングース』」




「『スズメ』」





……………………………………………





そうして、無邪気にしりとりを楽しむ様な二人だったが……。






ビュウッ……






「!」




後ろから吹き上げられた風を背に受け、自分が着実に崖へと近づいたことを実感した彩火……しかし、




……その彩火より眞幸の方が後ろにいた。





「ねえ……そろそろ降参したらどう?」




彩火が眞幸に声をかけた。




「何で?」





「……上縞くんは死にたくないでしょ?」





「城田さんは、どうして死にたい?」





「私は……」




彩火の感情が徐々に高まってゆく……。
< 13 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop