スイッチ!
パシッ!





眞幸が彩火の手を掴んでいる……。




「どうして……?」




安堵と非難が、彩火の表情を複雑なものにしていた。




「城田さんが手を伸ばしたから……」





彩火は首を横に振り……





「頼んでない! 死なせて!」





眞幸は、その怯える瞳を見つめる。





「それでも、差し出した手は無視したりしない……」




彩火の瞳に涙が潤む……。




「それでも、死ぬと言うなら……俺が先だね。ゲームは、振り向いた俺の負けだから」





眞幸は、彩火をグイッと引き寄せると……





「止めて!」





その叫びをも聞き捨てて、崖へと跳んだ。





「…………」





絶句して、その場にへたりこむ彩火……。





冷たい風がビュッと吹き抜けた。











「イタタ……」





「!?」





その声を聴き、崖の下を覗きこむ彩火が見たのは……





張られたネットに不様に絡まっている眞幸の姿だった。





「何……してるの?」





冷たく言い放つ彩火に……





「ハハ……やっぱ怒った?」




と、眞幸は笑っていた。
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