スイッチ!
眞幸は自分をガキだと認識していた。



現在、高校二年生……本来なら大人びて背伸びしたがる年頃でもある。



しかし、眞幸は思う……自分など未だ何者でも無い、何も経験してない只の子供であると。



先日、学校で書かされたアンケートに、こんな設問があった。



『自分の性格は?』



……との問いに対して、幾つかの選択肢から選んで丸をつけろとのこと。



眞幸は『優しい』に丸をつけようとして、それを止め……『優しくありたいとは思う』……と書き足して、それに丸をした。



上っ面を飾るのに精一杯……今の自分は、その程度である……と、眞幸は考えていた。



実際に困難に直面した時……その時でなければ、自分の性格など計れない。



本当に困った人がいて、そこで自分が何を出来るのか……




そう……例えば……




車の往来する国道に、歩道橋から身を投げようとする同級生を見かけた時……。




城田彩火(きだ さいか)は、手摺の向こう側から眞幸と目を合わせていた……。
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