スイッチ!
十年以上、前に閉鎖されたドライブイン……




『立入禁止』との札がぶら下がるロープを眞幸は踏み越えてゆく……。



駐車場には、古い重機が置かれ、解体した一部の資材が散乱する。



眞幸を追いかけ彩火も、そこへ入ってゆき、二人は駐車場の端へと歩いていった。



「ここだよ……久しぶりに来たけど、子供の頃のままだな」




そう言って眞幸が指差した先……手摺が数メートルの間隔で破れていて、その先には闇が広がっていた。



街の灯りが見下ろせることから、かなり切り立った崖であることを想像させる。




「…………」



彩火は黙って、その場所を見つめた。




「どう?」



彩火の横に立ち、その反応を見守る眞幸……その横顔は緊張を滲ませるが、恐怖に怯えてる訳でもなさそうである。




(本気……なのか?)




やや不安になる眞幸に……




「いい場所ね。ありがとう……後は、いいから」



そう言って彩火が笑う。
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