キスから魔法がとけるまで

特に宮城秋は多忙な日々を送っているせいか、表舞台にはあまり顔を出さず、副社長がメディアを征していた為、世間では社長の印象は兎に角薄かった。

まあ、私が面接までいけるようなレベルではないんだけれど。

どっぷりと週刊誌にのめり込んでいる間に、私の改革はトントンと進んでいた。


「お疲れ様でした、いかがですか?」

気が付くと既に3時間は経っていて、

「ハルさん……流石!これでもう根暗なんて言わせないよ!てか、超可愛いー!」

と、テンション高めな梨花が、私の肩に抱き着いた。

一方私は、その恐ろしい変貌ぶりに声も出せない。

鏡の中の私は、まさに別人。
デビューおめでとう!と、謎のハルさんのご厚意でメイクまで施された私は、まさに革命だ。

これには多分、両親すら気付かない。


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