降り続ける雨―――…
降り続ける雨
雨、やまないね……。
……うん。
突然降り出した雨に駆け込んだお店の前。
軒先で、彼の濡れた肩先をハンカチで拭いてあげる。
されるがままにじっとしている姿は、親の事を疑いもせずに居る子供のようだと思った。
少し湿ったハンカチで、同じように自分も拭う。
拭いきれない雨の湿り気が、気持ちを塞いでいく。
すっかり湿ってしまったハンカチをバッグの中へ戻す気になれず
クシュッと右手で握っていると、お店の人がどうぞとドアを開けてくれた。
案内されたのは、窓辺の席。
降りしきる雨は、やむどころか一層強まっている気がした。
やむかな……?
ん……?
ぅうん……。
< 1 / 4 >