降り続ける雨―――…
ずっと苦しかった。
私は、あの人に敵わない。
いつまで経っても、敵うどころかどんどん離されて行く。
想い出は綺麗なまま、より一層あなたの中で輝きをますばかり。
乾かない想いを抱え続けるあなたの傍は、
この降りしきる雨にぬれ続けるようなもの。
ごめん……。
もしもそんな風に謝まられたら、私はどんな顔をすればいいだろう。
彼を懸命に見ようとしても、彼は私を見ようとしない。
この降りしきる雨の一粒一粒を捉えようとするように、
ただ、窓の外を向いたまま。
あの人との想い出が、この雨と共に流れてしまえばどんなにかいいだろう。
それとも、私の哀しみを洗い流してくれたらどんなに……。
雨は、降り続ける……。