SHIMAUMA

「それで、
 どうして僕を誘ってくれたの?」


「うーん・・・
 別に特別な理由はありませんよ。
 ただシマウマちゃんの話を
 もっと聞きたいなぁって思って・・
 もしかして、迷惑でした?」


「ううん、そんなことはないよ。
 なんとなく気になってね。
 君みたいな子が、
 僕みたいなオジさんを誘うのが珍しくてさ」


僕がそう言うと、

彼女は笑顔だけで返した。

ちょうど今日は遅い帰りの予定で、

妻にも晩御飯はいらないって言ってあった。


「あー、お腹すきました
 もうペコペコですよ、」


「結構食べるほうなの?」


「そうですね、
 基本的に食べることだけが幸せなので。
 いっぱい食べますよ」


「そっかそっか・・
 シマウマも、よく食べる子だったよ。
 御飯の入った袋をガサガサって揺らすと
 急いで家から出てくるんだ。」


「食いしん坊ですか?」


「そうだねぇ、
 待ちきれないから
 ゲージを噛んでアピールするんだよ。
 早くよこせー!ってね、」


「それは可愛いですね。」


そう言って彼女はまた笑顔をみせた。

その顔をみて僕も微笑む。


「御料理お持ちいたしました。」







 

< 14 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop