SHIMAUMA

「デザートも頼んでいいですか?」


「どうぞ、遠慮しないで。」


「ありがとうございます、」


「・・うちのシマウマちゃんは、
 そんな上品に食べれなかったなぁ」


「え、私上品ですか?」


「うん。
 シマウマはね、いつも
 焦って食べるんだよ」


「・・それはハムスターの本能で、
 仕方ないんじゃないんでしょうか。
 野生だったら危険がいっぱいですし」


「うーん。そうなんだけど、
 わかってほしかったなぁ・・
 ここは安全だよってことを。
 
 いつも妻と二人で言ってたんだよ、
 そんな焦って食べるなって
 誰も取らないからって。」


「なんだか、楽しいですね。
 そんなのハムスターが
 わかるわけないじゃないですか」


「まぁ、それもそうなんだけどね。」


そう言って二人して笑った。


二人共ペペロンチーノを食べ終えると、

彼女はいちご大福を頼んだ。


「・・桐山さんはいいんですか?」


「あ、デザート?
 僕はいいよ、もうはいらないや」


時間が過ぎるのは早いもので、

時刻は9時半を回っていた。
 




 
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