SHIMAUMA
「君の人生はどうなんだい?
僕よりも生きてきた時間は短いけれど、
辛かったかい?」
「いいえ、
‘辛い’だなんて一度も思ったことはないですよ」
「・・本当に?」
「はい、幸せでした。」
彼女は自慢げに言った。
気がつくと、
さっきまで目の前にあったいちご大福は
すでになくなっていて、
口に白い粉をつけた彼女が笑っていた。
「・・じゃあ、そろそろ出ようか。」
「そうですね、お腹いっぱいです。」
二人してテーブルを立って、
レジへと向かう。
財布から5000円を支払い、
2800円のお釣りをもらって店を出る。
「・・今日はごちそうさまでした。
私から誘ったのに、
出してもらっちゃって・・」
「いや、いいんだよ。
こうやって話せてよかった。」
「私もです。」
「・・なんかさ・・
やっぱり後悔ってか、
罪悪感しかないんだよねぇ・・
シマウマちゃん、
もっと大切にしてあげればよかった」
「まーたそれですかー・・・
そんなに自分を責めないでくださいよ」