SHIMAUMA

「2年くらい前なんだけど、
 僕と妻でなにか動物を飼おうってなったんだ」


あ、奥さんいるんだ。


「最初は犬を飼おうって話してたんだけど、
 僕も妻も動物を飼うのは初めててで
 いきなり犬を飼うのは大変だろう・・・
 ってことでハムスターにしたんだ」


「動物慣らし・・・ってとこですか?」


「まぁ、そうだね。」


男は楽しそうに話し続けた。


「妻と一緒にホームセンターに行ったんだ、
 そしたらハムスターって、
 すごく小さくてびっくりしたよ」


「そうですか・・・」


「それで、無難にゴールデンハムスターでも
 いいかなぁって思ったけど、
 白いハムスターって見たことないだろ?
 だから珍しくてホワイトにしたんだよ。」


「・・・名前は、あるんですか?」


「僕のハムスターにかい?
 もちろんあるさ、
 シマウマっていうんだ。」


「え、シマウマですか・・・」


「そうだよ、変な名前だよね
 妻がつけたんだ。」


「・・・オスですか?
 メスですか・・?」


「シマウマちゃんだよ」


そういって男はニッコリ笑った。

特に興味もないのに、

質問なんかしてる自分がおかしくて

私もうっすら笑った。
 
 
< 5 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop