Vampire's Moral





和明はハッと息を飲んで、少し考えてから聞いてきた。


「……それ、Bloodyが言ってきたのか?」

「あぁ」

「Bloodyが俊秀を脅してきた、とかじゃなくて?」


俺は力無く頷く。

本当は俺も、こんな事実を認めたくないよ。
ただの脅しだったら、ハッタリだったら、俺だってどれだけ楽か。


「Bloodyが俺を脅すメリットは、何処にも無い」

「確かに」


さすがにそれは、和明も素直に認めた。

俺は和明に、経緯を話す。
医者の手も尽きてる事を改めて話すと、和明は唸った。



「たぶん江梨子は、それくらいの報酬無しでは願いを叶えられないくらい、ヤバい状態なんだと思う。実際、全く意識が戻らないし」

「だよなぁ」

「俺は、江梨子の意識が戻って欲しい。だけど俺自身が死ぬのは嫌で、江梨子とまた笑い合いたい。けど、こんな事を他人に頼める訳が無い」

「確かに」





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