Vampire's Moral
「……秀? 俊秀? 大丈夫か?」
気付いたら、和明が凄く心配そうな顔をして、俺の肩を掴んで揺さぶってきていた。
どうやら俺は、和明の言葉と自分の考えに集中しすぎて、和明を心配させてしまったらしい。
少しボーッとしていたようだ。
俺は和明を安心させようと、改めて和明の目を見た。
「大丈夫。ごめんな、和明」
「……あぁ。俊秀にすりゃ上野の意識を戻したくてどうしようも無いだろうけど、俊秀自身も怪我して治ったばっかなんだから、無理すんなよ」
「あぁ。…和明だったら、こういう時は、どうする?」
和明は一瞬ハッとしたような顔をしてから、目を閉じて考え始めた。
「…俺は俊秀みたいに、絶対に守りたい大切な人がいる訳じゃないから、完璧な答えじゃないと思うけど」
暫くして、和明はゆっくりと目を開けてから、再び話しだす。
和明なりの、考えて出てきた、答え。
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