Vampire's Moral

Bloodyから、江梨子の病状を見せて欲しいと頼まれたのは、その二日後。
終業式の前日だった。


江梨子の病状を実際に確認して、どうすれば江梨子の意識を戻す事が出来るか考えてくれるらしい。

場合によっては、Bloodyに頼まなくても、普通に医学の進んだ病院に転院すれば済むかもしれないようだ。


…Bloody、意外と良いヤツじゃん。
もっと冷めた鬼だと思ってた。

吸血鬼っていうくらいだし。



そう言ったら、


「別に。ただの依頼だから」

って返された。
冷めてるヤツ。



俺は終業式の後に、Bloodyを病院に連れていく事にした。

互いの事情を説明するのが面倒だから、今日ばかりは江梨子のお母さんがお見舞いに来てなければ良いなぁ。





「失礼します」


ノックして、通い慣れた病室に入る。
当たり前だけど、今日も返事は無い。






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