Vampire's Moral
普段は周りに愛想を振りまき、人間と吸血鬼の中間くらいの適度なクールさを保ち、周りともトラブル起こさず平和にやっているDesire。
そういう意味では、俺達アンモラルの中では、ある意味一番計算高いかもしれない。
そんなDesireが急に怒ったりするのは、とても珍しい事だった。
後から考えると、それが全ての引き金で、Desireは結果的に自分の利益も増やしたんだから、やはり計算高いのかもしれない。
「片方だけが犠牲になるとか、好きな人の為に自分の命を捧げるとか。そんな一昔前のケータイ小説の流行りみたいなのは、もう今じゃ悲しいだけでしょ」
「そんな事言われても、上野さんの意識を戻す為には、どう考えても技術もエネルギーも必要だ。もし一人死んだとしても、俺だってそれくらいの血を受け取っても良いと思うんだが」
Desireの言葉の意図が掴めず、俺は言い返す。
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