Vampire's Moral
11 ~俊秀Side~
夏休みに入って一週間が過ぎ、そろそろ七月も終わる頃。
俺は学校でやってる数学の補習に和明と参加した後、江梨子のお見舞いに来ていた。
クラスメートでアンモラルのBloodyに、俺の命と引き換えに江梨子を助けてもらうかどうか、未だに決められずに。
それでも、江梨子の意識が戻る事を望みながら。
和明には、Bloodyに言われた江梨子の症状を伝えてあった。
和明は、「俊秀がどんな選択をしても俺は反対はしないが、どうするか決まったら俺にも教えてくれ」とだけ言った。
俺は和明のような、話が分かるヤツがいてくれて助かった。
その日は病室に入ると、江梨子のお母さんがいた。
「こんにちわ、おばさん」
俺の挨拶に、江梨子のお母さんが振り返った。
「あら、俊秀君。こんにちわ。江梨子の見舞いに来てくれたの?」
「はい」
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