Vampire's Moral





…Desire、一応コレも用意しといてくれたのか。
足りない血を補おうと、俺はトマトジュースを飲む。
暑い夏に合わせたのか、トマトジュースは冷やされていた。


「下野さん、私の声が聞こえる?」

「…はい?」

「良かった、間に合ったんだね」


Desireが下野の背中をさすりながら、声をかけていた。


「私はDesire。Bloodyと同じアンモラルの一人で、三中の二年生です」

「…はい」

「下野さんは今、目が見えてないと思う。それは、血液不足が原因の、栄養不足の所為で起きた失明です」

「…俺、どうなっちゃうの?」


普通の人なら、それが一番気になると思う。
殺されるって言われてたから死ぬのを覚悟してたのに、何故か生きてるけど目が見えないんだから。



「今の下野さんの状態だと、血液の量が足りなすぎるから、私にはどうしようも出来ません。一応、プロの眼科医さんに診てもらって下さい」





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