Vampire's Moral





だってトシ、私達まだ中三だよ。
あの交通事故の後遺症でこのまま人生諦めちゃうなんて、そんなの勿体無いし、悲しすぎるよ。

このままじゃトシは、本当に人生を諦めちゃいそうだよ。
目以外は、何処も悪くないみたいなのに。



「駄目だ、俊秀。そんな辛気臭い事を言ってんじゃねぇよ。オマエも高校生になるんだよ」


どうやら能登君も、私と考えた事は同じだったみたい。
私の考えを、全部代弁してくれた。


「俊秀は、目をちゃんと治して、高校生にもなって、上野と一緒に幸せになって、また笑えよ。そうしなかったら、俺が許さないから」

「和明の言う事はメチャクチャなんだよ…」


…そう言って、俊秀は少し苦笑した。

トシが本当に高校受験をする気になってくれたのかは分かんないけど、少なくとも能登君が私とトシを応援しようとしてくれてるのは分かったんだ。
だって能登君、私とトシを元気づけるような事しか言ってない。





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