Vampire's Moral






それは……、アレか?
漢方薬がちゃんと効いてるって事か?

じゃあもう、全身の血の量をどうにかするか、アンモラルの連中にどうにかしてもらうしか無いって事か?


「いやー、思わぬところでラッキーだった」

「いや、思わぬところじゃねえだろ。肝臓や腎臓に効く漢方薬を処方されてんだから」


棚ぼたみたく話す俊秀に、俺は思わず突っ込んだ。
一番の問題が解決してないのに、“棚ぼただー”って喜ばれたんじゃ、周りの心配してる人はたまんねぇ。
……これじゃ、上野も苦労するよな。


俺と俊秀は最後に眼科医に行く時間を確認して、電話を切った。



目薬も点眼してる、漢方薬も服用してる。
実際、ちゃんと効いてるらしい。

なのに、目は全く良くならない。
思ってたより、状態は悪いみたいだ。

………これはもう、代償は避けきれないのかもしれないな。
誰が代償を払うんだろ?
もう笑い事じゃ済まされない。





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