Vampire's Moral
私の部屋にポットとかココアの素とか、そんな便利な物は置いてないから、仕方無くリビングに向かう。
アイスココアを作ってると、Bloodyがビニール袋を持って、リビングに入ってきた。
…今日の夕食当番は、Bloodyなのか。
「Bloody、Bloody」
「何?」
冷蔵庫を覗き込んで、買ってきた食べ物を冷蔵庫を仕舞っていたBloodyが、私の方に振り向く。
「…Desireか。トマトジュース、追加してくれただろ。どうも」
誰に話しかけられたか確認もしないで返事したのか。
何て適当なんだ。
私はBloodyの礼を無視して、自分の質問をする。
「今日の夕食、何?」
「ニンニクの醤油漬け」
……ニンニクの醤油漬け?
それは私にとって、好き嫌いを越えて、もはや天敵。ニンニク無理。
…聞き間違いだよね。
「…何か聞き取れなかったから、もう一回聞くね。今日の夕食、何?」
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