Vampire's Moral





流血は俺と同じ高校に通ってるから、俺が休みなら流血も休みの筈なんだけど。
ちょうど良いタイミングでBloody(ブラッディ)が部屋から出て来たから、俺は質問する事にした。


「Bloody、流血は?」

「あ? …あー、そういや補習って言ってた。世界史だってよ」


世界史の補習? 流血が?
…そう言えば、今日は夏休み明けの実力テストの補習の日だったな。
実力テストの成績が赤点だったヤツが受けなきゃいけない補習。
流血、“世界史が赤点になった”って、ボヤいてたっけ。
吸血鬼の歴史って世界に跨がるから、吸血鬼が世界史出来ないのって、どうかと思うけど。特に東欧とか。


「拓斗は? 補修ねぇの?」

「いや、俺は無いよ。教えてくれてサンキュ」


俺は特に効果的な情報を得る事も無く、洗濯に戻る。

……しかし、コレどうしようか?
流血が居ないんじゃ、赤い染みの正体が確認出来ない。





.
< 268 / 464 >

この作品をシェア

pagetop