Vampire's Moral

7 ～江梨子Side 赤い目をした正義のヒロイン～

「そういや、こないだ塾の帰りに、凄い事があったんだよ」


トシとデートに行って週明け、月曜日。
私は昼休み、クラスメートで友達の岩代友美(ｲﾜｼﾛ ﾕﾐ)と安房光子(ｱﾜ ﾋｶﾙｺ)と、一緒にお弁当を食べていた。

光子は普通の事じゃ、“凄い事”なんて言わない。
それなのに光子が”凄い事”って言うなんて、よっぽどの事だったんだろうな。


「光子が“凄い事”なんて、珍しいね。何、カズ君に告られたの？」

「違うって。ってか、能登君って塾行ってないんじゃない？」


カズ君とは、トシの親友の能登和明君のコト。
私も入院中には色々と手伝ってもらったなぁ。
能登君は友美のハトコなんだって。


「で、光子。能登君に告られたんじゃなかったら、一体どうしたの？」

「あ、そうだった。…あたしの通ってる塾、日曜日は補習があるから、他の日より帰りが遅くなっちゃうんだけど」





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