Vampire's Moral





それを言うなら、Bloodyが謝ってる事が、既に珍しいと思うんだけど。


「Bloodyが家庭科の宿題が上手くいきそうなんて、本当に珍しいな。天変地異の前触れじゃね?」

「そんなに上手くいってるなら、ウチらにも教えてよ」


たっくんと流血が面白がって、Bloodyをからかってる。
するとBloodyにしては珍しく、本当に珍しい事に、何だか言いづらそうに口を閉じてから、ゆっくりと開いた。


「これを聞いても流血が絶対に後悔しないって言うなら、良いけど」


……それは、ひょっとして。
たっくんも、何か気付いたみたい。

だけど、心配は届かなくて。
いつだって、本人には届いてなくて。


「は? ウチがBloodyの宿題で後悔するの? そんな訳が無いじゃん。そもそも、後悔するかどうかなんて、後にならないと分かんないし」


流血には、Bloodyや私の心配が分かんないようだった。





.
< 308 / 464 >

この作品をシェア

pagetop