Vampire's Moral
「それじゃ、話すぞ。今回の家庭科の宿題は、子ども向けの絵本や玩具作りなんだけど」
「あー、あったね、そんな宿題」
そんな宿題があるんだって私が感心してると、流血が遠い目をして相槌を打った。
「俺は確か、玩具を作ったな。Bloodyはどうすんの?」
「絵本を作ろうとは思うんだ。…ちょっと内容が難しいとは思うが、動物が出てくるし、[幸せな王子]みたいで悪くないと思って」
たっくんの質問に、本当に珍しいながら、答えにくそうに言うBloody。
[幸せな王子]か…。もしも本当にあの話なら、本当にあの話に例えて良いのかな?
主人公は、本当に幸せになってるの?
悲しい想いを抱えてるんじゃない?
[幸せな王子]、正確には[幸福な王子]は子ども向けの短編小説。
ある町の中心部にある自我を持った金箔の王子像が、あちこちを飛び回って様々な話をしてくれるツバメと共に自己犠牲をするって話。
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