Vampire's Moral

また、“自分の気持ちを押し殺して”って出てきた。
でも、それがこの話のポイントでもあるのが悲しい。


「灰色の兎の男の子と、茶色の兎の女の子は、結婚する事になりました。結婚式には白い兎の女の子や多くの友達が参加して、華やかに行われました」


ここで、付き合うとかの途中の段階を全部抜いて、すぐに結婚ってなるのが、本当に子ども向けっぽくて分かりやすい。
分かりやすくて、でも、だからこそ悲しい。


「白い兎の女の子は、最後まで自分の想いを言う事はありませんでした。灰色の兎の男の子と、茶色の兎の女の子は、最後まで自分の気持ちを偽る白い兎の女の子の想いに気付く事はありませんでした」


“自分の気持ちを押し殺して”、“自分の気持ちを偽る”。
それはただ、灰色の兎の男の子と、茶色の兎の女の子の、幸せを願っての行動なんだよね。
……つまり、その二人の幸せの為に、嘘を吐いたって事になる。





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