Vampire's Moral





「結婚式の翌日、白い兎の女の子は、残された寂しさのあまりに、死んでしまいました。白い兎の女の子の閉じられた目からは、涙が流れていました」


……あぁ、何だか胸がヒリヒリしてきそうだよ。
ねぇ、当事者はどう思ってるの?

私が流血をそっと見ると、流血の灰緑色の目が赤くなっていた。
忘れてて、ただ泣くの?
それとも、思い出したの?


「Bloody、もうい…」

「それを見ていた神様が、白い兎の女の子を可哀想に思って、白い兎の女の子を天国に導いてくれました。白い兎の女の子は、いつまでも天国で幸せに暮らしましたとさ」

「……Bloody、それで終わりか?」

「あぁ。事実とはちょっと違うけど、これなら子ども向けになってるだろ?」


私が止めようとしたBloodyの話は強制的に続けられて、そのまま終わってしまった。
確かにこの話は、Bloodyの言うように、事実とはラストが違うけど…。





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