Vampire's Moral





そうだった。
“忘れる事も出来ずに、生き続けなきゃいけないよりはマシ”……それが、Bloodyの持論だったよ。


「でも、これは夢が無さすぎるよ。これじゃ、最初に好きと想った事すら、破滅に向かってるよ」

「そこまでは知るか。少なくとも、吸血鬼はそんな事じゃ破滅しない」

「それはそうだけど! ……たっくんは、どう思った? この話、絶対に子ども向けじゃないよね?」


これじゃ埒があかないと思った私は、たっくんに意見を聞いた。
ちょっとだけ流血の様子を見たけど……、何か、魂が抜けてるみたい。


「…うーん。……恋愛ってさ、“燃え上がるような”とか、“燃え尽きるような”って表現があるだろ? それから考えると、想いを持った事が破滅に向かってるのは間違ってないんだろうけど……。まぁ、一言で片付けるなら、これは間違い無く子ども向けじゃないな」

「は? だいたい、子ども向けかどうかって、どうやって決めてるんだ?」





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