Vampire's Moral
「……なぁ、これは俺の想像なんだけど」
拓斗はしばらく考えてから、ウチに声をかけてきた。
拓斗の想像は、第六感のように当たる気ぃする。
「…何?」
「……流血、ひょっとして、ここ最近ずっと、具合が悪いんじゃないか?」
驚いた。言葉が出ない。
だって、拓斗の言うとおりなんだもん。
「…何で、それを知ってるの?」
「やっぱり。いつから具合が悪いんだ? 夏休みの終わる頃?」
「……違う。たぶん、六月頃から」
「そんなに前からになるのか……」
拓斗が、ウチの顔を覗き込んでくる。
ウチの顔、何か付いてる? 鏡が見れないから、分かんないんだけど。
「具合が悪い以外に、何か変わった事はあった? 急にニンジンやキャベツが好きになったとか。理由が分かんないけど、毎日悲しいとか」
「ニンジンやキャベツは、元から嫌いじゃないけど…」
それは単純に、好き嫌いの問題じゃないの?
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