Vampire's Moral
何だか寂しさに、泣けてきそうだった。
ウチ自身でも、こんなに寂しさに苦しんでる理由すらも分かってないのに。
「流血、苦しいよね。泣いて良いよ」
Desireの言葉に、ウチはまた涙を流していた事に気付く。
ウチの流した涙は、ウチの頬を伝い、首筋を流れて。
抱き締めてくれてるDesireの服に、赤い染みが広がっていた。
さっきは確か、こんな染みは無かった。
「Desire、これ……?」
「流血、大丈夫?」
Desireの服に付いた染みをそっと撫でると、まるで体温のように温かかった。
これ、ひょっとして……?
じゃあ、ウチの枕カバーやベッドシーツに付いた、変な染みの正体は……?
「Desire、服に付いた赤い染みって、もしかして…?」
「…流血、自分の頬の涙を、拭ってみて」
吸血鬼として、自分で鏡を確認出来ないなら、実際に視野に入れて確認すれば良い。
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