Vampire's Moral
先手を打って、俺が先に質問する。
流血の疑問には全部答えてやるつもりだけど、俺の都合もあるし、早く終わらせたい。
「ウチの目が赤くなるのは、何で?」
「それもか…。そもそも流血は、どんな時に目が赤くなってるか、分かってんの?」
鏡に映らない流血が、どうやって自分の目が赤くなるのを知ったかも、不思議っちゃ不思議だけど。
「え? ……泣いた時?」
「それもだけど。流血は泣いたり怒ったり、興奮した時に目が赤くなってるんだ。無意識にだけど、赤目の兎だった頃が出てるんだろうね」
流血は白い毛の、赤い目の兎だった。
それが、何ていう名前の種類かは知らないけど。
「むしろ、それを言うなら、俺は流血が灰緑色の髪に、灰緑色の目を持ってる方が、ずっと不思議だけど」
「何で?」
「流血がそのまま吸血鬼になったなら、白い髪に赤い目の吸血鬼になったんじゃないか? きっと、俺みたいな目になったと思う」
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