Vampire's Moral
“一緒にいたかった”と“幸せを願った”が、何が何処でどう繋がっているのか、俺には全く分かんなかったけど。
きっと、流血の中では上手くまとまっているんだろう。
「流血が依頼者の気持ちに寄り添って物を考えるのも、兎だった頃の影響だと思う」
「どういう事?」
「人間に可愛がられてたからか、兎が極端に寂しがり屋だからか、原因は分からねぇけど。他の吸血鬼、特に俺と比べると、寂しさとか苦しみに敏感なんだろうな」
俺は吸血鬼の中じゃ“先祖帰り”って言われるくらいだから、そんな俺と比べたらさぞかし分かりやすいと思う。
「寂しさや苦しみに、敏感……」
「分かんねぇけど。分かんねぇけど、そんな気する。流血自身が、性格的に寂しがり屋だったのかもしんないけど。兎とか関係無く」
もしくは、寂しがり屋な兎の中でも、特に寂しがりただったとか。
だったら何で、友達を尊重して、自分の想いを殺すような真似をしたんだ?
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