Vampire's Moral





「こんな時、Desireが居れば、もっと別の対応が出来たかもしれないのに…」


そこで俺は、ようやくDesireが居ない事に気付いた。
時計を見ると、今からでも走れば間に合う距離なのに。


「……そう言えば、Desireは?」

「オマエが起きてくるずっと前に、学校行っちゃったよ。アイツはオマエみたいに、時間ギリギリに行動しないからな」


拓斗は嫌み混じりに、俺に事実を伝えてくる。

俺は拓斗の嫌みは無視して、流血に水を飲ませてみた。
しかし、流血は反応しない。

俺は台所に行って、ニンジンとキャベツを持ってくる。
流血の兎の頃の嗅覚が反応するように、立て続けに流血の鼻先に、ニンジンやキャベツをかざしてみた。
しかし相変わらず、流血の反応は無い。


「……Bloody、何してんの?」


変な行動をする俺を、変な目で眺めていた拓斗が、見かねたのか声をかけてきた。





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