Vampire's Moral





流血は何回かパチパチと瞬きしてから、俺達を見た。
その流血の目は、まだ確かに赤い。


「……流血、大丈夫?」


拓斗が恐る恐る、流血に声をかけた。


「……拓斗? …それと、Bloody?」

「良かった! 流血が目を覚ました!」


俺は喜んだ拓斗に、肩をガクガクと揺さぶられた。
真面目に痛い。特に肩が。

しかし、あの冷静な拓斗が、こんなにまでも慌てふためいたなんて、本当に珍しい。
だけどそれだけ、流血の意識が戻らない事を、拓斗は心配したって事なんだよな。
拓斗は、こないだ流血が意識を失った時にも、遭遇したっていうし。


「ウチ、また意識失ったの? どれくらいの時間だった?」

「えっと…」


俺が時計を見ると、俺が学校に行こうとして、流血が気を失った時間から、だいたい二十分が経っていた。
流血や拓斗は知らないけど、もう俺は学校に間に合わない。遅刻確定だ。





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