Vampire's Moral





流血の赤い目、赤い涙。
怒りに任せて、机に振り下ろされる、流血の右拳。
さぞかし、強い力で叩いてたんだろうな。


「何か疲れてきて、机に突っ伏したんだけど、最後に思いっきり腕を降ろしたんだよね。そしたら、顔が痛くなった」


…つまりは、振り下ろした腕が顔に当たって、痣になったっていうのか……。
器用なのか不器用なのか、イマイチ分からない。
いや、それを越えた所に流血はいたんだろうけど。


「…でさ、出掛ける直前にDesireが、教えてくれたんだよ」

「Desireが?」


アイツ、俺が起きるかなり前に、学校行っちゃったんじゃないの?
拓斗を見ると、拓斗もどうも信じられないみたいだ。


「そう。そもそも今朝は、Desireに起こしてもらったんだよ。Desire、制服姿で部屋に入ってきて、起こしてくれて」


Desireはどうやら、学校に行く直前に、流血を叩き起こしたらしい。





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