Vampire's Moral





「それで、ウチの目が赤くなってる事と、顔に赤い涙で跡が付いてる事、それから痣が出来てるって教えてくれて。“何かで隠した方が良い”って」


その後、流血は机に付いた赤い水溜まり――流血の涙の跡を綺麗に拭いてから、サングラスを用意して登校の準備をして、リビングに降りてきたそうだ。



そうか、Desireが流血に教えたのか。
だから鏡で確認する事の出来ない流血が、正確に顔の痣の位置を知る事が出来て、サングラスで隠す事が出来たんだな。


「…事情は分かった。とりあえず流血は、ちゃんと朝食を食べろ。そして、今日は学校には行くな」

「何で? ってか、もう今から走っても、学校に遅刻しちゃうよ!」


拓斗の言葉に、反論する流血。
…ってかもう、拓斗も流血も間に合わないのか。


「流血、本当にそんな危険な状態で、学校に行くつもりなのか? それじゃ学校着く前に、今度こそ交通事故に遭うぞ!」





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