Vampire's Moral





「本当? さっき倒れてたけど、大丈夫?」

「今は大丈夫。一応、家出る前にトマトジュース飲んでくよ」


Bloodyにしては、珍しく心配してきてくれた。
成長したんだなぁ……とか思う。

これだけ成長したBloodyなら、きっと頼んだら引き受けてくれる。
Bloodyは冷徹だし、他人に興味を持たない子だったから、引き受けてくれるかどうかだけが心配だった。
きっとウチの決断を、尊重してくれる。

他の人達も、大丈夫。
嫌な思いさせるけど、きっと引き受けてくれる。
全部終わったら、ウチのも飲んでもらおう。


「分かった。じゃあ頼む。…あと、コレ拓斗から」


Bloodyはそう言って、ポケットからメモを出してきた。
そこには、買い足すべきトマト煮の缶と、トマトジュースの数が書いてあった。


「昨日店に行ったら、売り切れたんだって。店員に聞いたら、今日は補充されてるらしい」





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