Vampire's Moral





Bloodyから渡された拓斗が作ったメモと、今日の特売品の箇所に丸印を付けたチラシを確認して、買い物篭に商品を入れていく。
篭は一つに収まりきらずに、二つに分かれた。
…その分、荷物は多い。

……参ったな。歩きで運ぶには少し重くて面倒。
運べない訳じゃないけど、距離的に面倒。
チャリで来れば良かったな…。

レジで会計して店を出て、どう運ぶか考えてると、「流血さん!」と呼ばれた。
声の主を探すと、店の前の駐車場横の歩道から、Bloodyのクラスメートで、ウチのクラスメート・美濃彰の彼女の、駿河真亜咲ちゃんが手を振っていた。


「真亜咲ちゃん! どうしたの?」

「これから美濃先輩と会う約束してるんです! 国道の向こうの公園で待ち合わせです」


国道の向こうの公園、それはウチへの帰り道の途中にある。
真亜咲ちゃんはウチが持つ多くの荷物を見て、手を伸ばしてきた。





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