Vampire's Moral





「“逃げたい”から、それを手伝って欲しい」

「具体的に、何すれば良い?」


Bloodyが聞いてきたけど、答えるのに少しだけ、躊躇する。
だけど“Bloody”の名前に、何よりも相応しい気もした。それでこその、吸血鬼だと。


「ウチの意識を、終わらせて欲しい。それしかない」


その言葉が何を意味してるのかが分かったのか、皆の顔も動きも固まった。


「……何で、それしか無いの? 他に、方法は無いの?」

Desireが恐る恐る、聞いてくる。
Desireが答えを分かってるのに分かりたくないフリをしたいのか、それとも本当に分からないのかは、ウチには分かんないけど。


「ウチは過去の影響で吸血鬼になった。皆みたく、生まれつき吸血鬼だった訳じゃない」

「それは知ってるよ」

「で、吸血鬼は不死身だよね。特別な方法がなきゃ死ねない。つまりウチは、永遠を生きる限り、過去からは逃れられない」





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