Vampire's Moral





「……何で?」


Desire以外からは何も言われないのを見ると、納得出来なくても分かってくれてるんだろな。
Desireだって、今の疑問が来るのに、少し時間がかかったって事は…。


「Desireだって、本当は分かってるんだよね? ウチにとっては、永遠を生きる吸血鬼になったのは、過去そのものが原因だからだよ」

「それは…」


Desireが本当に、心から悲しそうな顔になる。
Desireはウチと違って、ウチの過去を忘れていなかった分、本当はもっと早く気付いてたかもしれないね。


「流血…、そんな事言わないでよ……」

「ごめん、Desire。もう決めたんだ。それに“逃げても良い”ってずっと言ってたのは、Desire達なんだよ」


拓斗が、凄く悲しそうな顔をしていた。
ウチは、こんな拓斗の顔を、見た事が無かった。


「いつから決めてた?」

「ウチが倒れて、拓斗とBloodyにも休ませちゃった時」





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