Vampire's Moral





「……辛気臭い話して、ごめんね。食べてよ」


思い出したように、他の皆が食事を再開した。
ウチはそれを見てから、食事を再開する。


「流血、“辛気臭いから”って、謝るなよ。流血が吸血鬼としてこの家に来た理由が、一番辛気臭いんだから」


Bloodyが唐突にそう言ってきたけど、ウチはその“ウチが吸血鬼としてこの家に来た理由”を、確認する事が出来なかった。
食事中にこの話をこれ以上は引きずらない方が良いと思ったし、単純に“近くの吸血鬼の家が此処だけで、身を寄せるのに便利だから”と思ったからだけど。


今になって、ウチ自身の決めた事に、肋骨らへんが痛くなってきた。
それは、決めた“逃げ方”を嫌がって、肋骨らへんが今から悲鳴をあげてるようだった。

肋骨らへんが痛くなるのは、当たり前。
だってウチは、杭で打ってもらうんだから。
それが古い文献に乗ってたらしい、吸血鬼の伝統的た退治方法だから。





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