Vampire's Moral
「流血、最後に一つだけ聞いて欲しい事がある。流血がこの家に来た理由なんだけど」
Bloodyが、拓斗とDesireと一緒に銀の棒を握った状態で、急に話し出した。
…それ、絶対に聞いた方が良い?
「…急に何? それって、近くにあった吸血鬼の家が、此処だけで、身を寄せるのに良かったからじゃないの?」
「それもある。ただ、流血は自分でこの家に来たんだ。その理由は……」
この家に、ウチ自身で来たの?
全く覚えてない。どうやって辿り着いた?
「Bloody、話さなくて良い。話しても、何もならない」
「流血が、兎として死んでるのを見つけたのが、その時の飼育当番だった拓斗とDesireだったからだよ。きっと本能的に、"この家の人なら大丈夫"って、分かったんだろうね」
拓斗の言葉を無視し、Bloodyは事実を教えてくれた。
…そうか。そうだったのか。
此処に辿り着いたのは、そういう意味もあったのか。
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