Vampire's Moral





そして、こんなギリギリになってまで、Bloodyがこの話をしたのは。
拓斗とDesireの二人が、ウチの死に直接接するのが二回目になるって、ウチに教える為か。


「拓斗、Desire…、ごめん。ウチの我が儘を聞いてくれて、本当にありがと」

「いや、良いよ。気にすんな」

「どういたしまして」

「Bloodyも、それを教えてくれて、ありがと」

「別に」


拓斗とDesireは、最後まで優しかった。
Bloodyは、最後までそっけなかった。
でも、それでこそ、このアンモラルのメンバーなんだと思う。


「流血、目を閉じろよ。皆、棒をしっかり持って」


拓斗がウチを気遣って、目を閉じさせる。


「いくよ。せーのっ……!!!!」


胸に、大きくズキンとした痛みが広がった。
刺された痛みの上から、銀によるヒリヒリとした痛みが広がる。
覚悟はしていたけど、予想以上の痛みに、思わず涙が出た。





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