Vampire's Moral
美濃が見たら確実に惚れ直しちゃいそうな笑顔で、真亜咲ちゃんは凄い事を言った。
憧れ? これは、ウチが干渉する必要は一切無いんじゃ?
「憧れって、どういう事?」
すると真亜咲ちゃんは、照れたような笑顔で、人差し指を唇に当てた。
「美濃先輩には言わないで下さいね」
「分かった」
それは約束出来ないけどね。
依頼が依頼だから。
たぶん真亜咲ちゃんは、美濃の悪い話をしないだろう。
この話の流れで、美濃の印象を悪くする必要が分かんないから。
「あたしがサッカー部に入部して最初の合宿の時の話なんですけど。五人ずつの班に分かれてオリエンテーションをしたんです。あたしはアキレス腱らへんを植物だかで切って遅れてしまって、美濃先輩はあたしを気にして歩いてくれていました。結果的にあたしと美濃先輩は、他のメンバーとはぐれて遭難しちゃったんです」
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