Vampire's Moral





苦手な世界史をやり過ごして、夢見が悪かった今朝の悪夢を思い出して絶望してたら、早くも昼休みになった。

食堂で買ったプロテインっぽい飲み物とカツ丼弁当を持って屋上に行くと、既に因幡が給水タンクにもたれかかっていた。




「…どうも」

「おぅ」




因幡の隣りに座ると、彼女はアロエヨーグルトとサンドイッチ、トマトジュースの昼食だった。
どうしたらそんな小食で、学校中を震え上がらせるような喧嘩最強少女が出来るんだ?

……ってか、トマトジュースって。
因幡がビタミンとか気にしてるような性格じゃなさそうだし。




「…まるで血が吸えないお子様吸血鬼が、血の代わりにトマトジュース飲んでるみたい」

「黙りな」




あながち間違ってはなかったらしい。
さすがは吸血鬼集団・アンモラルの一員。





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