Vampire's Moral





「もしもし? うん、大丈夫だよ~。真亜咲の方が忙しいだろ?」




真亜咲ちゃんから電話がかかってきたらしい。
バカップルめ。


ウチは美濃のスマホからぶら下がっている、キラリと光るストラップに気が付いた。

鏡だ、たぶん。
でも、美濃が鏡を常備してるような男だとは思えない。


美濃の電話が終わったので、ちょっと聞いてみる事にした。




「そのストラップ、どうした? 前は無かったよね」




美濃はあぁ、とストラップを確認して、ウチに見せてくれた。




「ミラー付きストラップ。真亜咲とお揃いなんだ」

「…さいですか」




やっぱり、美濃は鏡を常備してるような男じゃなかった。

ってか予想してたとはいえ、普通にのろけられた。




ウチは美濃が見せてくれたストラップを覗き込む。

覚悟はしてたけど、ウチの姿は映らなかった。





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