Vampire's Moral
「勿論。看護士さんが羨ましがってたわよ、「まだ万全じゃないイケメンの彼氏が、毎日お見舞いに来てくれる」って」
クスクスと楽しそうに話す、江梨子のお母さん。
…ってか、看護士さんからすれば、俺はイケメンの部類に入るのか。
嬉しいと言うより、看護士さんの視力を疑いたい。
俺は江梨子を見る。
「…だってよ、江梨子。俺、イケメンって言われちゃったよ」
反応しない江梨子。
こういう時、江梨子なら何て言ってくれるかな?
幼い頃から一緒にいた江梨子の意識が途切れるなんて、想像した事も無かった。
「ねえ、江梨子。早く」
目を覚ましてよ。
江梨子がいない毎日なんて、そんなの嫌だよ。
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